長野市民新聞
2020.9.26
コラム#156
【HSPとは?我が道を行く】
コロナ禍を背景にHSPが話題になっています。
これはHighly Sensitive Personの略で、人一倍感受性の高い人、あるいは繊細な人を表しています。1996年に米国の女性心理学博士によって提唱され、5人に1人に見られるとされています。
HSPは病名・病気ではなく、個人の性格や気質に着目していて、考え過ぎて悩みやすい、人の言動や視線が気になる、相手に合わせ過ぎて気疲れする、常に漠然とした不安や恐怖感があるなどを挙げています。
また防衛本能が強いため自分の考えに頑なな一面もあり、その特性ゆえ周囲とのギャップに苦しみ、社会の価値観の陰で人知れず自分を追いつめてしまうのです。
一方、色々なことに気づく、冷静で思慮深い、協調性がある、嘘がつけない、仕事にミスが少ないなど、長所もたくさんあります。多くの人がこうした特性を理解し、互いに尊重し合える社会になることを大いに期待するところです。
さて、前説が長くなって漢方の話が全然できなくなってしまいました笑。
HSPが高じて不眠やうつなど生活に支障を来している場合は治療の必要がありますが、基本的には常にマイペースに、そして何か小さな楽しみを見つけたり、人と話をしたりすることが大切になってきます。
漢方では、体がしっかりしていれば心が立ち直りやすくなり、仕事や作業が充実してくるといった心技体の考え方があるので、不定愁訴を踏まえながら外からの刺激に強い体づくりを目指します。
誰しも持って生まれた性格があります。ご自愛いただきたいと思います。