長野市民新聞
2018.6.26
コラム#102
【心筋梗塞の予防 メンタルヘルスから】
血管は、心臓から送られてくる血液によって伸びたり縮んだりしていますが、生活習慣や環境因子、精神的なものの影響を強く受けています。
血管の伸縮や心臓の動きは、自律神経が自動で行っているため、自分の意思でコントロールできないのが体の仕組みです。胸に違和感がないかどうか、常に自身で感じ取って養生することが大切です。
心筋梗塞の大半は、動脈硬化や血栓に起因しますが、あるとき突然、血管そのものが異常収縮して、心臓への血流量が著しく低下して発症するケースもあります。
原因は、前述のことが複雑に絡み合っていますが、個人的には、精神的な要素が一番大きいと感じています。不安や緊張は、血管を収縮させ、それが日々何気なく続くと、血管は広がろうとするよりも、縮まろうとする力が強く働き、何らかの刺激を引き金に、急激な収縮が起こると考えるからです。
循環器系に働きかける漢方薬は、血液循環の促進や、血管の弾力性を高めるだけでなく、一つひとつの生薬が持つハーブ効果によって心身の緊張もほぐしてくれます。
血圧やコレステロール値を安定させることも必要ですが、メンタルヘルスの維持増進が大きな予防線となります。
製品)血府逐瘀湯(けっぷちくおとう)、EPA製剤