腸の安定には心身の両面から

長野市民新聞
2018.7.14

コラム#103
【腸の安定には心身の両面から】

過敏性腸症候群は、従来若い女性に多いとされてきましたが、最近では世代・男女問わず見られる傾向にあります。

症状は、名称のとおり腸が過敏な状態になっていて、男性では、腹痛を伴う下痢や軟便、女性では、お腹の張りを伴う便秘といった症状がみられます。原因としては、何かしらの不安や緊張、いわゆる精神的ストレスが大きく影響します。

腸を動かしているのは自律神経のため、脳はストレスを感じると、腸を急激に縮めたり緩めたりして、その動きをチグハグにしてしまいます。この繰り返しによって脳の反応はますます過敏となり、悪循環となってしまうのです。

ではどうすればいいか。通常、便秘なら便秘薬、下痢なら腸の運動を抑える薬など、対処的なものが多いのが現状です。乳酸菌製剤もありますが、根本的でもないような気がします。そこで漢方。

漢方薬は、伝統的なものが豊富にあり、胃腸の働きを引き上げることを得意としています。症状を改善するだけでなく、一つひとつの生薬にリラックス効果があるため、心身両面から安定させることができます。

腸の調子が良いと元気になりますね。ぜひ漢方も取り入れていただきたいと思います☆

製剤)便秘-開気丸(かいきがん)、軟便-健脾散(けんぴさん)