性ホルモンと更年期症状

長野市民新聞
2016.10.8

コラム#061
【性ホルモンと更年期症状】

私たちの身体には、若々しさを保つ性ホルモンが分泌されています。女性ホルモンのエストロゲンと、男性ホルモンのテストステロンがよく知られているところですが、それぞれ美容や精力に象徴されるだけでなく、思考や行動にも大きな影響を与えています。

女性にも男性ホルモン、男性にも女性ホルモンがそれぞれ分泌されていますので、心身の安定を維持するには、両方がバランス良く備わっていることが理想的です。

ところが性ホルモンは年齢とともに減少し、特に女性の更年期では、エストロゲンの急激な減少によって、体調不良に悩まされることがよく見られます。うつ症状を含めた不定愁訴、冷えのぼせ、突然の発汗など、体温調節がうまくいかなくなるのが特徴です。

漢方薬(生薬)の作用は穏やかですが、ホルモン剤のような副作用がなく、女性ホルモンを自然に高めてくれるものが豊富にあります。ホルモンのバランスを整え、症状の軽減や予防をしていくことができます。

性ホルモンは若さと健康の源ですので、老化を感じ始めた時は、食生活に留意し、自然な素材を積極的に取り入れていくと、穏やかで活き活きとした更年期を過ごしていくことができます。

※方剤例/婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)、亀鹿仙(きろくせん)