血圧の考え方

血圧の基準値

医療機関で図った血圧の数値が、
140/90 mmHg

上が140以上、または下が90以上の場合、
高血圧と診断されます。

高血圧

ひと昔前は160以下だったものが、次第に150、そして今では140以上を超えると高血圧。だんだんと基準が下がってきています。生活習慣病の予防推進等の影響もあるのでしょうが、男女差、年齢、体重、体質の違いなどに関わらず一律な基準には違和感も残るところです。しかし高い状態が続くと、血管や心臓に負担をかけ、様々な疾病の大元になる場合もありますので、まずは安定した血圧を目指していきたいところです。

人の体は、動く時に大きな活動エネルギーを要します。血管が収縮し、血圧は一時的に上昇します。つまり血圧を上げることによって動くことができているという見方もできます。この上昇幅が少ないことが理想的ですが、すぐに上がってしまう、高い状態が続く場合は注意が必要です。

精神的な影響

緊張すると脈は速くなり、心臓はフル回転で血液を全身に送ろうとします。血管が収縮しているところに大量の血液が送られるので、血圧は一気に上昇します。血圧が上がって血液が流れにくくなると、今度は心臓に負荷がかかります。酸素が追いつかず呼吸も苦しくなります。精神的な影響は、特に不整脈や心筋梗塞などに注意していきます。

体力低下や衰えの影響

血圧というのは、体が弱っていたり衰えてくると、体を何とか動かすために自然に上がってきます。動くたびに血管の激しい収縮が起き、それが頻繁に行われるため、血管や心臓に大きな負荷がかかり続けることになります。頭痛やめまいなどの具体的な症状があれば症状改善に努め、自覚症状があまりない場合でも、脳梗塞等の予防に向けて、体力を上げてしっかりと体調を整えていきます。

血圧調整のメカニズム

塩分(塩化ナトリウム)を多く摂ると、のどが渇いて水分が欲しくなりますね。これは血管の浸透圧を一定に保つ働き(血管収縮)によって体が要求するサインなのです。血管には一定の容量があり、水分を多く摂ると血液の量が増加し、血管を押し広げ血圧が上がります。この場合、腎臓が排尿を促すことで血圧は安定します。

では発汗や下痢などの場合はどうでしょうか。夏の熱中症や急性の下痢などが想定されますが、水分と塩分が大量に排出されると脱水状態となり、血液の量が減少し、今度は血圧は下がってしまいます。この場合、血管が収縮を繰り返すことで血圧は安定します。

このようなメカニズムによって、人の体は常に血圧を一定に保っているのです。精神的負荷が続いていたり、体力が低下していると、常に血管が収縮した状態が続いてしまいます。腎機能も年齢とともに低下する傾向にあるので、血圧はますます高くなってしまいます。しかしあまり下げてしまうと、ふらつきやめまい、体がだるく力が入らないといった症状も現われてきます。血圧は常に変動していて、心身の状態によって大きく左右されます。

血圧が上がったり下がったりすることは、自然な体の反応ですので、まずは変動の少ない安定した血圧を意識しましょう。あまり数値にとらわれず、体の状態に目を向け、体調管理に積極的に取り組んでいくことが大切です。