長野市民新聞
2020.5.23
コラム#148
【気ままにぶらぶら歩く】
外出自粛は心身の発散が不十分となり、血流も悪くなって首や肩など体の節々にコリや痛みが現れやすくなります。また陽にあたらないと睡眠の質にも影響してきますので、日常できる範囲の工夫を心掛けたいところです。
漢方では、新型コロナウイルスの発症を、呼吸器を中心とした《湿毒症(しつどくしょう)》と捉えており、清熱解毒作用のある生薬を積極的に用いていきます。
炎症が強くなってしまうと対応が難しくなるので、ちょっとした喉の痛みや頭痛など、負担がかからないもので小さな炎症を早めに摘んでいく予防をします。
発症には、いわゆる免疫が下がっている時に強く現れるため、心身の状態を下げないように、できるだけ上げていくように身体を維持していくことが大切です。
心身のコンディションには、気力の下がった状態の《気虚(ききょ)》、
気持ちが塞いだストレス状態の《気滞(きたい)》、
血流が鈍くなっている状態の《血瘀(けつお)》
などといった症があり、これらは日常普通に陥りやすく、特に自律神経はアレルギーや新陳代謝と連動しやすいことから、免疫のためにもメンタルケアは予防の鍵になります。
しかしストレスを発散するのはなかなか難しいところ。
「逍遥散(しょうようさん)」は、気ままにぶらぶら歩く、リラックスするという意味があり、気持ちをほぐす有名な漢方薬です。
五月は新しい環境に適応しにくいシーズンでもあります。外出を控える今、このような手軽に取り入れられるものをぜひお薦めしたいと思います。