長野市民新聞
2018.9.22
コラム#108
【微熱感、手・足のほてり】
今年は本当に暑い日が続きました。熱中症による搬送も過去最多となり、身体への影響を肌で感じた夏でした。
熱中症は、体内に熱がこもったり、発汗過多によってなってしまいますが、暑さによる体温調節の失調をきっかけに、熱感や発熱、筋肉や血流、神経系に影響が及びます。そのため身体を冷ましながら、充分な水分補給が欠かせないのです。
この体温調節ですが、漢方では、快適な体温は、体内の「熱」と「水」の量的バランスによって保たれており、水が減れば熱が強くなり、熱が強くなれば水が減るといった陰陽の考えを基礎としています。解熱作用のあるものに、体液(体内水分)を増やす作用のあるものを組み合わせることで、相対的に熱を冷ましていくことができるのです。
このところめっきり肌寒くなってきました。微熱やのどの痛みを訴える方も増えています。これは夏に失われた体液や栄養、粘膜の潤い、消耗した体力を取り戻せていないことが一因です。
寝不足やカゼの後の微熱、顔や手足のほてりも同様に、この体液の減少が根底にあるのです。
体液は水分補給だけではなかなか増えないため、水分を取り込もうという薬用植物の生命力を借りて熱感を落ち着かせ、徐々に身体を楽にしていくのです。