がん治療 体力向上に向き合う

長野市民新聞
2016.4.23

コラム#050
【がん治療 体力向上に向き合う】

がんが見つかると、先ずは治療方針が立てられます。部位や状態などに応じて、手術や放射線、薬物治療の選択を迫られることになります。

浸潤(がんが広がっている状態)があまりなく、病巣が局所的であれば、それを切除あるいは壊死させることによって良好な予後が望めます。しかし浸潤が進み、病巣が広がりを見せる場合、取り除き難くなり、抗がん治療の比重が高まってしまいます。

抗がん剤等は、回数を分けて一定の期間行われますが、自分の免疫細胞まで傷つけてしまいます。白血球等が著しく低下すると、治療は中断せざるを得なくなり、自然回復を待つのみとなります。しかしこれを繰り返し行うと、体力がどんどん先細りとなって、治療手段がなくなってしまいます。それだけは避けなければなりませんので、副作用を最小限に抑えるためにも体力を維持し、体調を整えていく必要があるのです。

漢方薬や天然成分は、免疫細胞の活発化や、がん細胞の増殖抑制等一定の効用がありますが、基本は体力を引き上げ、身体を全面的に支えていくことにあります。治療は身体あってのものですので、その両輪としての体力向上にしっかりと向き合うことが大切です。

※今回のテーマの代表処方:十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)