「血瘀(けつお)」
特徴は、痛む・塊る・黒ずむ
漢方に「血瘀(けつお)」という言葉があります。血液循環が悪い状態のことで、単なる血行不良から血液ドロドロまで様々な状態のことをいいます。
「血瘀」は、痛む、塊る(かたまる)、黒ずむといった特徴があり、頭痛、肩こり、月経痛などの痛みが常にあると「血瘀」と言えます。経血が塊になる、ポリープや腫瘍がある場合(悪性良性問わず)、くま、しみ、唇や舌の色が悪い、血管や経血が黒っぽい場合も「血瘀」ということになります。「血瘀」は、疲れ、ストレス、冷え、貧血、老化など、体のエネルギーを奪う要因が続くと生じます。
血流が悪くなって汚れた血液のことを「瘀血(おけつ)」と言います。糖やコレステロールにまみれた血液、ウイルスやがんなどの病原体に侵された血液ということになります。「瘀血(おけつ)」には血液のカスとも言える血栓も含まれ、循環器系の疾病を引き起こしやすくなります。血管や心臓にも負担がかかり、動脈が硬化しやすく、血圧も当然に上がってきます。糖尿病、高脂血症、がん、脳梗塞、心筋梗塞などを引き起こしやすくなります。
血流は川の流れと同じ
水があまりない川で、その流れに勢いがない状態を思い浮かべると、よどんだ川が見えてくると思います。周辺の草木も元気なく、まさにどぶのような雰囲気です。一方水量が多く、流れに勢いのある川はどうでしょう。流れがあるのですから、川は常に浄化されて新鮮な酸素を多く含んでいて草木もよく育ちます。
血液も同様に、常に循環していることが大切で、流れの悪い状態のままにしておくと、体調が悪くなるだけでなく、それを取り戻すのに大変な時間がかかってしまいます。
また血液は、ポンプである心臓が送り出しているのですから、心臓もしっかり守っていくことも大切です。心臓の鼓動は自分の意志で動かせるものではなく、自律神経が自動的に調整しています。そしてこの自律神経に大きな影響を与えているのが精神です。 精神的ストレスは、心臓のリズムを崩しやすく、血管にも大きな負担をかけてしまいます。
ストレスはできるだけ早く解消し、血液の流れがよどまないようにしていきたいものです。
血液の流れが多くの疾病につながってしまうわけですが、血液の流れは良くなったり悪くなったりするので、常に流れの良い状態にしておくことが大切です。血液サラサラを日々心がけましょう。