長野市民新聞
2020.4.11
コラム#145
【弱い皮膚をしっかり守る】
新型ウイルスの侵入経路は、主に口や鼻、目などの粘膜であり、マスクはその予防の大事な盾となっています。しかし飲食や何かしらのタイミングで外すことも多く、完全にブロックすることは難しいのが現状です。
そこで心がけたいことは、できるだけ口に手を持っていったり、鼻や目をこすったりしないようにすることです。クセであったり、かゆくなってつい掻いてしまったりすることもありますが、特に直近で手を洗っていない時は、感染防止を強化する上でさわらないことが重要です。
さて、ヒトの皮膚は通常病原体が侵入しないようにできていますが、慢性的な湿疹やじんましん、カサカサの乾燥肌が続くと、どうしても掻くことが多くなります。知らず知らずのうちに皮膚を傷めてしまい、細かな傷が侵入経路となってしまうこともあるのでしっかりとケアしていく必要があります。
患部へのアプローチは炎症を鎮めることを優先しますが、それが落ち着いてきたら、体の治す力を促していくことが肝心です。いわゆる自然治癒力というやつです。漢方薬は炎症やアレルギーを鎮めながら、皮膚組織の再生や乾燥の防止、緊張緩和など、様々な作用を持つ生薬の総合力で回復を早めていきます。
体を守らなければならない今だからこそ、肌が弱い方は体の内と外(スキンケア)の両面から働きかけていくことが肌トラブルの早期改善となり、ひいては感染防止にもつながっていきます。