頻尿、冷え 尿をためる力

長野市民新聞
2018.11.24

コラム#112
【頻尿、冷え 尿をためる力】

日に日に寒さが増す今日この頃、トイレに行く回数が増えたと感じる方も多いのではないでしょうか。寒冷刺激がその一因ですが、それ以外の要因についても着目していくことが大切です。

膀胱は、水風船のように弾力があり、通常は、小さなペットボトルから500ミリペットほどの尿を一度にためておくことができます。しかし膀胱そのものが衰えてくると、ちょっとした刺激ですぐに排尿に向かってしまいます。

病院等では、過活動膀胱と診断されることが多く、男性は前立腺肥大、女性は膀胱筋の活動に焦点が絞られます。そのため後者の場合においては、副交感神経に働きかけながら、膀胱の運動を抑えるものなどが使われます。

しかし膀胱そのものの機能を正常化するものではないため、排尿を新薬でコントロールするのは難しいところです。また女性は、体全体のホルモン量の低下に伴って筋肉が減少しやすく、骨盤や尿道の筋力の低下が、尿意を我慢するのを難しいものにしています。

頻尿には昔から「八味地黄丸(はちみじおうがん)」をよく用いる漢方ですが、近年では、筋肉に働きかけるものを合わせて効果を高めています。体を温め、筋肉を引き締め、尿をためる力を上げて毎日をゆっくりと過ごせるようにしてきましょう。