熱の下がり目は手足の温かさ

長野市民新聞
2017.10.14

コラム#085
【熱の下がり目は手足の温かさ】

くしゃみや鼻水、のどが痛い、熱っぽい、ゾクゾクしてきた、カゼかなと感じる症状は様々です。

体は、鼻やのど粘膜で病原体を防ぎ、体内に侵入した際は、全身の体温を上げて病原体の増殖を抑えます。同時に血管も収縮するので、寒けも感じるようになります。

この状態は発汗を抑え、体温をさらに引き上げている段階なので、手足は冷たいままです。しかしここで一気に熱を下げようとすると免疫力が鍛えられず、熱が下がってもまたぶり返してしまうこともあります。

免疫細胞は一定の熱が上がったところで働きが最大になるため、ある程度しっかり熱を出し切ることが大切です。

しかし実際はそんな悠長なことは言っていられませんね。具合や体温を気にしながら、一刻も早く熱を下げようとします。この状況での判断基準は、手足を触った時の温かさです。

手足が温まっていれば、体温が十分に引き上がって免疫も機能しているので、あとは解熱していくことになります。

寒けの段階では、体を温め、自然発汗を促し、速やかに発熱のピークに導いてくれる「葛根湯」が優れています。発熱と発汗は体力が消耗しますので、回復にもしっかりと留意することが大切です。

例)葛根湯(かっこんとう)、銀翹散(ぎんぎょうさん)板藍根根(ばんらんこん)など