抗生物質と免疫について

長野市民新聞
2016.6.11

コラム#053
【抗生物質と免疫について】

私たちは普段、何かしらの症状が起きたときに抗生物質のお世話になりますが、なぜよく使うわれるのでしょうか。

人の体には多くの常在菌が住み着いていて、皮膚、鼻やのど、飲食と一緒に入ってくる病原菌のさらなる体内への侵入を防いでくれています。しかし相手が強力だったり、免疫細胞がしっかりと働いてくれないと、炎症を起こし、たちまち病原菌に侵されてしまいます。

抗生物質は、微生物由来の化学物質で、病原菌の種類に合ったものを選びますが、言ってみれば、菌に闘ってもらっている格好です。しかし抗生物質は常在菌まで減らしてしまうので、免疫が低下しやすく、治りが悪くなってしまうこともあります。

さらに長く服用していると、病原菌が抗生物質に慣れてしまったり、良い菌が悪い菌に変身してしまうこともあります。こうなってしまった場合は漢方の出番です。

もちろん予防を兼ねて服用するのが一番ですが、生薬成分には、作用は穏やかながら幅広い菌に作用し、常在菌への負担なく、免疫の総合力アップで病原菌を追い出していきます。抗生物質も必要ですが、しっかりと治すには、免疫の維持向上にも十分に気を配ることが大切です。

※今回のおすすめ:板藍茶(ばんらんちゃ)