がんについて

がん細胞

がん(悪性新生物・悪性腫瘍)について

疾病によって3人に1人ががんで亡くなられる現代。四半世紀前までは、心臓病(心筋梗塞)、脳卒中(脳梗塞)が上位を占めていましたが、循環器系医療の大きな進歩等によりその数は年々減少してきました。一方がんは、食生活の変化や現代社会のストレス、その他さまざまな環境の変化によって増え続け、今や死亡原因のトップになっています。最新の機器や新薬の開発は進んでいるものの、いまだ発生原因が解明されず、また治療によって体力を奪ってしまうということが大きな妨げとなり、なかなか治療方法が確立されていないのが現状です。

私たちの体は、毎日1%くらいの細胞が死に、減った細胞を補うために、毎日数千億回細胞分裂をしています。その細胞分裂が、常に正常に行われればいいのですが、たまにミステイクが起きてしまいます。これが遺伝子の突然変異です。

がん

ミステイクされた細胞の多くは、そのまま死滅しますが、特定の遺伝子にミスが起こると、その細胞は死滅することなく、ひたすら分裂・増殖を繰り返します。この「死なない細胞」が、がん細胞です。ある学説では、がん細胞は一日に5000個生まれるといわれており、誰の体でも起こっている日常現象なのです。

がん細胞

しかし、実はこのがん細胞を食べてくれるリンパ球などの免疫細胞があって、大抵はこの免疫細胞が、毎日「異物」を発見し食べてくれています。ところが、たまにがん細胞を見逃してしまうことがあります。この見逃されたがん細胞は、時間をかけて細胞分裂をして増え、体に支障を及ぼすほどの大きな脅威となってしまいます。この細胞分裂のミステイクを極力減らすために、免疫細胞にしっかり働いてもらうことが大切なのです。生活習慣や食事の見直し、ストレスの解消、疲労回復、新鮮な酸素の取り込み(運動など)、嗜好品の節制、様々な予防策が必要になります。

がんは遺伝とも言われますが、遺伝によるがんは全体の5%と言われ、一部の例外を除き遺伝が全てというわけではありません。 しかし体質や性格、子供の頃からの習慣が引き継がれ、家庭の影響を受けがちです。そのようなことを踏まえながら、予防を意識して取り組んでいくことが大切です。

中医学で考えるがん

現代医学では、外科手術、抗がん治療、放射線といった方法が主流です。特に抗がん剤は、がん細胞だけでなく、自分の細胞も死滅させてしまいます。そして同時に、免疫細胞も大きく減少してしまいます。その結果体力が消耗し、治療が継続できなくなってしまいます。特に白血球は抗がん治療を休止すればまた回復してくるのですが、回復→治療→休止→回復→治療→休止…を繰り返すことにより体力はどんどん先細りとなり、最後はお手上げとなってしまいます。このようなことがないよう、漢方薬等で体力を維持・向上させる必要があるのです。治療と体力維持は両輪、「体あっての治療」ということを意識しなければなりません。

中医学では、自分の持っている免疫力を活発にさせたり自然治癒力を高めながら、漢方薬自体に抗がん作用を持つものもありますので、それらを積極的に取り入れていきます。がん細胞は毎日発生するもの、健康な人でもがんの発生する可能性はあるのです。頼れるのは、自分の体力であり免疫細胞です。免疫細胞のやる気スイッチを常にオンにしておくためにも毎日の心がけが大切です。