がん検診と予防のこと

長野市民新聞
2020.1.25

コラム#140
【がん検診と予防のこと】

尿でがんの有無(リスク)が判定できる。
これはがん遺伝子によって作られるタンパク質に反応する線虫の特性を利用したもので、精度も高く、今年から実用化が始まるということで関心が高まっています。

この間までは、血液1滴で判るという明るい話題があったところに、簡単な尿検査で結果もすぐに分り、費用負担も軽いこの技術はますます医療に希望を感じさせてくれます。

部位までは判りませんが、他の検査との組み合わせによる特定は可能なので、がん検診の入口として広く普及することを期待したいところです。

さて、この検査で陽性になったらどうなるか。
超早期発見ですので克服の可能性は高まりますが、そこには過剰検査や過剰治療の問題が潜みます。また治療する段階に至らなかったり、がんが存在することで精神的な重圧がかかるなどの課題も残ります。

そこで改めて考えていきたいのは、体の正常を保つ力。
人にはがんを排除する力があり、初期であるほどその侵攻を食い止められるわけですから、段階に関わらず体をしっかりと整えていく視点が大切になります。

頼るのは自分の体です。医療の進歩を活用しながら、普段から体の弱い部分
を一つひとつ改善していくことが、がんや様々な病気を防ぐことになります。