長野市民新聞
2019.6.22
コラム#126
【ニキビ吹き出物、体調と肌代謝】
ニキビは若者の悩みだけでなく、できやすい人は30代以降~中高年になってもできてしまいます。呼び方は次第に「吹き出物」となり、10代のように多くはできないものの、治りが悪くなって、痕も残りやすくなってしまいます。
直接的な原因は、思春期と同様に皮脂の過分泌ですが、肌バリアに必要以上の皮脂が分泌すると、常在菌が増えて炎症が起きてしまいます。皮脂の分泌は男性ホルモンが大きく影響するので、心身の疲労を蓄積しないことが大切です。
一方、肌の表面では、新しい細胞が押し上がり、古い角質がはがれ落ちるといった肌代謝が常に繰り返し行われています。
ところが年齢とともに角質がはがれ難くなると、毛穴が塞がれ、皮脂が発散できなくなります。吹き出物、乾燥肌、くすみなど、様々な悩みにつながってしまいます。
内服としては、ビタミンや抗生剤がよく用いられますが、漢方では、①清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)、②荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)、③桂枝茯苓丸加薏苡仁(けいしぶくりょうがんかよくいにん)などを症状に応じて組み合わせます。
特に③はターンオーバーを活発にするだけでなく、婦人科にも広く応用できるので、新陳代謝やホルモン分泌にも働きかけることができます。
毎日のスキンケアと並行しながら、体の中からきれいになっていきましょう。