長野市民新聞
2017.8.12
コラム#081
【内臓の活動時間を知っておこう!】
私たちは空気を吸い、水や食べ物から栄養を摂って生きています。それらは体のエネルギーとなり、不要になったものは代謝・排泄される仕組みです。それを直接行っているのが内臓で、休んだり動いたりしながら、体全体を維持しています。
漢方には「五臓六腑」という整体観があり、それぞれの内臓には、本来の働きとしての活動時間帯があると考えます。
肝臓は深夜から朝にかけて、心臓は朝から昼にかけて、消化器は昼から夕方にかけて、肺は夕方から晩(夕食頃)にかけて、腎臓は晩から夜にかけて力を発揮するというものです。
肝臓は脂肪やアルコールなどの分解を行い、寝ている間に新陳代謝を促進して身体を整えます。朝起きてからは、身体を動かすために大きな力が必要になるため、心臓は血液を身体の隅々まで巡らせ、一日の活動の起点となります。昼は人が最も活動的になる時間帯で、胃腸の働きもより一層高まります。栄養素を効率的に吸収しながら身体を充実させていきます。夕方は疲れが出始めることから、肺は呼吸機能を引き上げ、最後の力を全身にみなぎらせます。夜はエネルギーを蓄える時間帯です。腎臓は泌尿器だけでなく、残ったエネルギーを免疫力に変えたり、ホルモンや精力につなげていきます。
現代生活は、慌ただしさ、不規則、ストレスなど、身体のリズムを崩す要因にあふれています。漢方は、ポイントになる時間帯に合わせ、スポット的に取り入れていくこともできます。