長野市民新聞
2020.12.26
コラム#162
【手首の痛みは腱鞘の修復】
片手でスマホを操作している人を見かけると、よく落とさずにスマートにできるものだと感心してしまいます。しかし一方で指への負荷が大きく、酷使し続けると腱に炎症が生じ、指のこわばりや手首の痛みが起きやすくなってきます。
親指を立てると2本の太いスジが浮かびますが、これが指を伸ばしたり曲げたりする腱で、それを包み潤滑しているのが腱鞘になります。
ここに炎症が起きると、広く腱鞘炎またはバネ指ということになりますが、筋肉等の状態は、体内ホルモンの変化や減少が影響するため、産後や更年期にも発現します。
早期改善には、湿布等で炎症を鎮めている間、腱鞘の運動摩擦による炎症発生より、腱鞘の修復スピードを上回らせていくことが大切です。
このような時使いやすいのが「疎経活血湯(そけいかっけつとう)」。名前の通り、関節等の経絡をほぐし、血液循環を活発にする漢方薬です。筋繊維を支えながら、鎮痛作用や胃腸を守る生薬もバランスよく配合されているので、どなたでも服用することができます。
また併せて筋繊維の材料となるコラーゲンの併用も患部の再生につながるのでおすすめ。
腱鞘炎だけでなく、肩や膝などの可動域はちょっとした動きで傷めやすい部分、そのうち治ると思っていてもなかなか頑固なもの。寒い時期は手先・足先から縮こまってきますので、生活習慣の工夫に加え、痛みを取りながらの機能向上、ぜひここにも着目して養生いただきたいと思います。