長野市民新聞
2020.10.24
コラム#158
【坐骨神経痛 痛みが出る前に】
すっかり秋が深まり、寒さが身に染みる季節になってきました。足腰やつま先の冷えだけでなく、それに伴い様々な痛みが起きやすくなってきます。
中でも「坐骨神経痛」は、腰椎から両足先まで伸びている坐骨神経が、骨のすべりや椎間板のとび出し、背骨に沿って縦に伸びる神経管(脊柱管)の狭窄などによって、神経が圧迫・刺激され強い痛みやしびれを起こします。
神経に対しては鎮痛剤は効果が薄いので、温熱、指圧、リハビリなどの理学療法、局部麻酔であるブロック注射、あるいは鍼灸など総合的に行っているところです。
しかし足腰は、骨や様々な筋肉や繊維でできていて、それらがもろくなったり委縮したりすると、当然に神経に差し障ることになるので、その部分の強化に取り組む必要があります。
もちろん食事を工夫したり、できる範囲の運動をしたりすることも踏まえながら、もう一つそこに漢方薬を加えると徐々に痛みが穏やかになってきます。
そこでご紹介したいのは16生薬の「独活寄生湯(どっかつきせいとう)」。
この漢方薬は、血液量を増やし、血流を促すことによって筋肉をしっかりさせていきます。また痛みを和らげる生薬が配合される一方、全身を温めてくれるので、これからの時季温かく過ごすことができます。
痛いから動けない、動けないから血流が悪くなり筋肉も落ちてくるといった悪循環にならないためにも、冬の備えとしてぜひ取り入れていって頂きたいと思います。