長野市民新聞
2020.7.11
コラム#151
【五十肩は肩関節周囲炎】
肩が痛い、腕が上がらないなどの症状は40~50代に起こりやすく、四十肩、五十肩などと広く哀愁を込めて呼ばれています。
この肩関節周囲炎は、片側に起こりやすく、肩を動かすと鈍い痛みが現れ、腕を上げたり背中に回したりすると激しく痛むのが特徴です。そのため、服を着替える際、高い所の物を取ろうとした時など、日常何気ない動作でピリッとした痛みが走り、寝る時は肩に圧がかかってズキズキとした痛みに悩まされてしまいます。
原因は、年齢とともに衰える筋肉や腱、靭帯。潤滑組織の減少も相まって、動作時の摩擦が慢性的な炎症を起こすことにあります。体力に自信のある人でも使い過ぎには気をつけたいところです。
一般的な治療では、消炎鎮痛剤や注射の他、温熱療法等も併用しますが、漢方では可動範囲が狭くなった患部をほぐすことを視野に、痛みを和らげる生薬、筋肉等に栄養を供給する生薬とともに、一にも二にも血流を促すアプローチをしていきます。
「疎経活血湯(そけいかっけつとう)」は、男性女性、体力あるなし問わずどなたでも服用でき、肩の痛みにはファーストチョイスです☆また負荷のない運動やマッサージ、針治療等も並行するとより早い効果が得られます。
どの部位でもそうですが、身体に痛みを抱えて過ごすのはつらいもの。そのうち治るだろうと思っていても、関節部の炎症はとても頑固です。暖かい時季に集中してメンテナンスしていくことをお勧めします。