副鼻腔炎が鼻についたら

長野市民新聞
2019.7.13

コラム#127
【副鼻腔炎が鼻についたら】

鼻炎が続き、鼻がつまって額や頭が重く痛い…、検査すると「副鼻腔炎」と診断。数カ月抗生剤等を飲むものの、結果あまり改善せず…。

「それでは鼻から挿入する内視鏡手術をしましょう」そんなことを言われたら困ってしまいますね。

確かに生活に支障があるほどの症状があれば、手術は第一選択ですが、調子が良い時もあったり、休めないような生活環境にあったりすると、なかなか手詰
まりとなってしまいます。

副鼻腔炎は、鼻の奥からほお骨に広がる空洞に炎症が起き、その部分に膿などがたまっている状態。細菌やアレルギーなどが関係し、カゼや花粉症がきっかけになることも多く、程度の差こそあれ多くの人に潜在しています。

抗生剤の長期服用は、胃腸への負担や効果の減弱を考えると控えたいところ。治る力の引き上げも念頭に、生薬の抗菌・清熱作用に活路を見い出します。

細菌を退治し炎症が引けば、膿は鼻の穴から排出されてきますが、それだけでは繰り返しになってしまいます。免疫に働きかけながら、分泌物を患部組織から老廃物として吸収し、代謝を促していきます。

粘膜は様々な異物の侵入を防いでいます。鼻が鼻についたら、抵抗力や回復の
方にも目を向けて取り組んでいくことが大切です。