痛み予防には筋の強化も

長野市民新聞
2019.1.26

コラム#116
【痛み予防には筋の強化を】

痛い時、鎮痛剤は無くてはならないものですが、痛み止めは読んで字のごとく、痛みの感覚を止めているだけで、患部そのものを治すものではありません。慢性的に続く場合は、痛みを抑える一方で、治す力の引き上げに努めることが大切です。

痛みは、外傷性疼痛、神経の圧迫や裂傷による神経障害性疼痛、不安やストレスなどを要因とする筋肉(内臓筋)の収縮による心因性疼痛に大別されます。

「肛門神経痛」という疾患があります。肛門付近(直腸)の筋が急に収縮し、激しい痛みを繰り返すというものです。鎮痛剤はあまり効かず、抗不安作用のある抗けいれん・筋弛緩薬などが投与され、ブロック注射なども併用されます。

根本的な改善は、筋の引き上げにあります。筋肉は疲労や血流の滞りによって足のつりやこむらがえりを起こしますが、腸も筋(平滑筋)なので、体力が低下してくると同様のことが起こり得ます。

ここに精神安定を図りながら筋を丈夫にする《芍薬(しゃくやく)》や《当帰(とうき)》などを充てると軽減につながります。

このように疼痛には、筋の強化が大切になってきます。体をしっかりさせるには時間がかかりますが、内臓は筋、神経を取り巻いているのも筋ですので、その様な視点も合わせて改善していきます。