長野市民新聞
2015.3.28
コラム#024
【副鼻腔炎「バカ」が鼻を通す】
カゼの症状は鼻から始まることが多いですが、治りきらないでいたり、慢性鼻炎になってしまうと副鼻腔炎に進んでしまう場合があります。
副鼻腔は、鼻の奥から頬骨の内側に広がる空洞で、鼻の機能を保ち、細菌や異物を除去するクリーナーの役割をしています。それが炎症を起こすと、副鼻腔に膿が溜まってしまいます。レントゲンなどでは白い影となって写りますが、日常的な鼻閉や頭痛に悩まされてしまいます。頭がボーっとすることも多く、生活にも支障を来してしまいます。
耳鼻科では、一般的に抗生物質が処方されますが、漢方では『鼻淵丸(びえんがん)』という漢方薬をよく用います。配合されている生薬には、いずれも抗菌作用等があり、特に主成分の《蒼耳子(そうじし)》は、鼻を通す作用にすぐれ、アレルギー性鼻炎にも効果的です。
実はこの生薬、山に入ると洋服にくっつくオナモミのことで、地域によっては「バカ」と呼ばれています。これらの身近にある生薬が炎症を鎮め、膿の排泄を促しながら鼻をスッキリと楽にしてくれます。