カゼ対策 肺炎予防にも有効

長野市民新聞
2014.12.13

コラム#017
【カゼ対策 肺炎予防にも有効】

有名な処方に「葛根湯(かっこんとう)」があります。

その成分には、熱を下げる、鼻水を止める、咳を鎮める生薬が配合されており、総合感冒薬といった印象があります。

しかし「葛根湯」は発汗させることが主な作用であり、それによって寒けや体の痛みを和らげ平熱に戻していきます。

ところが熱や炎症が強い場合は、発汗によって水分が失われ、体力が消耗して熱が下がりにくくなるので、この場合には「銀翹散(ぎんぎょうさん)」という漢方薬を用います。

《板藍根(バンランコン)》《金銀花(キンギンカ)》などの清熱解毒作用のある生薬が含まれ、抗菌作用のほか、様々なウイルスに対しても広く抵抗力があるので、インフルエンザにも使うことができます。

感染していても、免疫を活発にする作用を兼ね揃えているので発症を防ぐことができ、副作用もないので安心して服用できます。

体力が低下していると、病原体が肺に入り込み、肺炎になってしまうこともあります。「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」などで体力を高めていくことも必要になります。カゼかなと思ったら、早めの対応を心がけましょう。