長野市民新聞
2017.9.23
コラム#084
【のどにガツンとくるユカンの実】
だいぶ涼しくなり過ごしやすくなりましたね。でも夏の疲れを引きずっていたり、肌寒い風が鼻やのどを刺激して、何となくカゼっぽい症状の方も多いのではないでしょうか。
秋と関係が深い内臓は肺ですが、漢方では、呼吸器系を粘膜や皮膚、抵抗力を含めた広い意味で捉えています。徐々に空気が乾燥するこれからの季節、特にのど粘膜や気道はその影響を受けやすく、うるおい不足が様々な症状を引き起こします。
気道の内側には無数の繊毛細胞がありますが、粘液を出しながら侵入してきた細菌や異物をからみ取り、外に追い出す働きをしています。乾いた状態が続いていると炎症が起きやすくなり、痰も絡みやすくなってしまいます。
気道には昔からキキョウの根などがよく用いられますが、近年では様々な植物が取り入れられており、東南アジア原産のユカンの実のハーブは、炎症や痰を取り除きながら、うるおいを与えてくれます。のどのイガイガや痛み、声が出にくい、痰が切れないなどの症状に最適です。
ユカンの粉末は、酸味とタンニンの渋味が強烈ですが、荒れたのどにガツンと気合を入れてくれます!これからの時期、ぜひお試しいただきたい一品です。
例)白龍散(はくりゅうさん)、板藍根エキス(ばんらんこん)