尿の泡立ちと体の機能

長野市民新聞
2020.9.12

コラム#155
【尿の泡立ちと体の機能】

朝起きて尿を見ると泡立っていることがあります。すぐに消えたり、たまたまだったりすればいいのですが、消えずに毎日泡立つようだと、どこか悪いのかと心配になってしまいます。

尿のほとんどは水で、排泄成分には尿素窒素やクレアチニン、尿酸、臭いの元のアンモニアなど様々な代謝産物が含まれます。

どれも正常の範囲なら問題ありませんが、一部数値が上がったり、尿タンパク、ウロビリノーゲン(肝臓由来の代謝産物)などが多くなるとますます泡立つことになります。食べ物にも大きく影響を受けますが、原因がどこにあるかを想定しながら取り組んでいくことが大切です。

そこでキーになるのが肝臓と腎臓。

肝臓は体内に取り込んだ物や老廃物を分解する役割、腎臓はその老廃物をフィルターにかけて体外に出す役割。

これらの機能が低下してきたらどうなるか?老廃物が体内に蓄積することになってしまいます。持病や年齢的な衰えに加え、疲労や漠然としたストレス等も影響してきますので、ぜひ体の機能にも関心をお寄せいただきたいと思います。

漢方の良いところは、具体的な疾病や諸症状に働きかけながら、機能を引き上げることにあります。すぐにというわけにはいきませんが、体は徐々に力強く
なってきます。

悪者とされがちな塩分、糖、脂、酒を踏まえ、栄養バランスに気を配りながら、余力があればぜひこの肝腎かなめの部分にアプローチしていくと良いでしょう。