長野市民新聞
2020.3.14
コラム#143
【免疫力と抵抗力について】
日常よく使われる言葉に、免疫力・抵抗力がありますが、これらの違いは何でしょう。
免疫については、例えば「あの人苦手だったけど、今では慣れてきて免疫ができた」といったように、様々な経験を通じて獲得した力が免疫力ということになります。子供から大人になる過程で体が丈夫になっていくのも免疫が作用しています。
一方抵抗力は、外部からの刺激を跳ね返す力ですので防御の役割となり、両者はいわば鉾と盾の関係になります。
ウイルス対してはワクチンが必要ですが、有効なものが見当たらない場合、また例えあったとしても、しっかりとした抗体できて体が強化されるには時間を要します。
現在できることは、体調を整えたり体力を引き上げたりすることが大切で、それが各々が持ち合わせる免疫細胞の活発化につながると考えていきます。
防御の観点からは、マスクや手洗い等が基本ですが、感染を最初に防ぐのは皮膚や粘膜であり、それが乾いていたり敏感だったりすると、侵入を許すことになってしまいます。心と体の疲労や、年齢に伴うホルモンの減少等も体表面の脆弱化の一端となりますので、様々なケアも必要になってきます。
言葉は何でもいいのですが、治すのも防ぐのも最後は自分自身の体ですので、食事、休息、心身の発散、そして食事で摂りきれない栄養素の補給、体を支
えるものを積極的に摂っていくことが、病原体から身を守ることにつながっていきます。