さわやかな香りで胃腸すっきり

長野市民新聞
2019.5.25

コラム#124
【さわやかな香りで胃腸すっきり】

日本には四季があり、移りゆく気候変化に体が馴染むよう、旬の食材を摂り入れて健康増進を図ってきました。しかし暑さ寒さが極端となり、食事もつい簡単なもので済ませてしまうことも多い今日、改めて食と健康の意識を高めていきたいところです。

梅雨にかけては、気温の上昇とともに湿度が急激に上がってきます。湿気は、皮膚や粘膜の潤いとなる一方、体表面にまとわりついて体内に溜まりはじめ、さらに冷たい物の摂取と相まって胃腸を壊しやすくしてしまいます。水分は重
みがあるので、梅雨時は、だるさやむくみなど、全身的に〝重い〟といった症状が特徴です。

体に余分な水分を溜めない方法は、発汗や利尿で、特に汗は、かき過ぎても逆に脱水となって体力が消耗してしまいます。ほのかな発汗がポイントです。大葉やミョウガなど、香りのある食材を楽しみましょう。

漢方でもこの時季は、紫蘇や蕾香など、さわやかな芳香成分を持つ生薬を用い、胃腸を温めながら消化・吸収を助け、水分代謝を引き上げていきます。芳香成分は気分を落ち着かせ、広い抗菌作用もあるので、胃腸炎などの予防にもつながります。

季節に合った養生で梅雨に備えて行きましょう☆夏の方が先に来てしまいましたが…。