長野市民新聞
2018.8.11
コラム#105
【メンタルヘルス 漢方で心を軽く】
不安、焦り、恐れ、不眠、うつ…、今回はメンタルヘルスについて考えてみたいと思います。
人は日々何かしらのストレスを抱えますが、それが質の悪い大きなものであったり、元々の性格が拍車をかけると、当然に体調を崩す大きな要因となります。
ストレスがかかっていると、自律神経が乱れているのかな…と思う方も多いですが、心身のバランスを重視する漢方では、心技体という言葉にもあるように、気力や体力、体全体の栄養状態など、土台となる体がしっかりして初めて精神が安定してくると考えます。
内科では安定剤を使う場合も多く、上手に使えば改善のきっかけにもなります。しかし薬で心をコントロールしていても、不安定な状況がいつまでも続いてしまうこともあります。メンタルケアと並行しながら、体をしっかりさせることが精神安定につながります。
漢方に「疏肝解鬱(そかんげうつ)」という論治があります。これは栄養の貯蔵庫であり、解毒と代謝を行う肝臓に働きかけると、憂鬱から解き放てるというもので
す。
自律神経の調整に加え、胃腸などの消化器も含めて内臓に働きかけることで、心身の状態を引き上げていくことができます。気持ちがなかなか晴れない時、生薬は心と体を軽くしてくれます☆