長野市民新聞
2018.3.24
コラム#096
【乾燥した粘膜を内側からケア】
花粉シーズン、耳鼻科、市販薬、漢方薬、対策は様々ですが、各々に合った方法で乗りきっていただきたいと思います。
花粉症は、粘膜に花粉が入り込み、それを追い出そうとする身体の防御反応で、くしゃみ・鼻水がその最たる症状です。しかしその反応が連続すると、炎症を引き起こして悪化してしまいます。
花粉症の薬は、このアレルギーを鎮めることにありますが、かぜ薬や酔い止めに類似のものを使うため、人によっては眠くなるものの一定の効果が期待できます。
しかし粘膜が無防備のままでは、その効果も半減してしまいます。点眼・点鼻もありますが、充血している時はすぐに乾いてしまいます。冬のあいだ乾燥しきった粘膜を、内側からケアするという発想が大切なのです。
漢方に「補陰(ほいん)」という言葉があります。これは体水分を補給するという意味で、それに分類された生薬は豊富にあります。含まれる数多くの栄養成分が、粘膜の保護・強化に働きかけ、慢性的なドライアイ、ドライマウス、乾燥肌対策にも応用しています。
花粉症の原因は花粉ですが、体質や体調によるところも大きいので、その部分にも着目していくとより一層快適に過ごせます。
活用例)衛益顆粒(えいえきかりゅう)、辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)他