腎臓は縁の下の力持ち

長野市民新聞
2017.10.28

コラム#086
【腎臓は縁の下の力持ち】

腎臓といえばトイレに関すること、といった感じで泌尿器をイメージする方も多いと思います。

漢方では、人が生命活動をする上で最も重要な臓器として位置付けています。ホルモンや免疫を支える内臓として、精力から妊娠・出産、成長や抵抗力、筋骨の豊かさや美容面まで密接に関係していると考えているからです。

最近NHKで「腎臓があなたの寿命を決める」という番組が放映されました。これまでの、脳が全身の司令塔という概念を一転させ、腎臓が他の臓器からの情報を集約し、全身をコントロールしている、身体を巡る血液成分を管理する重要な働きをしているといった内容でした。今まで腎臓に焦点を当てた番組がなかったので嬉しい限りです。

そこでいかに腎臓を守るか。新薬にはそれに該当するものがなく、不必要な薬は腎臓に負担をかけてしまうため、食事や生薬で補っていきます。

漢方には「補腎」という言葉もあるほど腎臓に良い生薬が豊富にあります。一つひとつの生薬に含まれるバランスの良い様々な天然成分が、腎臓の機能をじっくりと引き上げてくれます。体質に応じて少しずつ摂り入れていくと、芯からしっかりとした体になっていきます。

例)金匱腎気丸(きんきじんきがん)、参馬補腎丸(じんばほじんがん)など