のどに落ちてくる鼻汁≪後鼻漏≫

長野市民新聞
2016.11.12

コラム#063
【のどに落ちてくる鼻汁≪後鼻漏≫】

通常、鼻水は鼻から垂れてきますが、表ではなく、裏側ののどに流れる「後鼻漏(こうびろう)」でお悩みの方が増えています。鼻水よりどろっとした鼻汁が落ちてくるため、痰がからむ、のどがつまる、咳込むなど、日常生活にも支障が出てきます。

原因としては、鼻腔粘膜の何かしらの炎症・腫れ・隆起・化膿、鼻汁の分泌過多などが挙げられます。粘膜は、年齢とともに乾燥し、敏感になってアレルギーを起こしやすくなります。そこにストレスや慢性疲労等がアレルギーを助長してしまうため、後鼻漏は現代病の一つとも言えそうです。

一般の治療では、抗生物質や抗アレルギー薬が投与されますが、一時的に改善しても、また繰り返してしまうことも多くみられます。漢方では、炎症やアレルギーに対してだけでなく、鼻汁の粘膜細胞への吸収など、分泌物の代謝を促進していきます。

鼻やのどは、抵抗力や免疫を映し出す鏡ですので、呼吸器系を中心として体力を引き上げたり、生薬のハーブ効果で、精神的ストレスを和らげていきます。

なかなか厄介な後鼻漏ですが、多方面からアプローチしていくことで、すっきりとした鼻を取り戻していくことができます。

※製品例/ドクダミ(エンピーズ)、荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)