長野市民新聞
2016.8.13
コラム#057
【舌の苔(こけ)はきれいな方がいい】
漢方には「望診(ぼうしん)」という言葉があります。これは顔色や表情、目つきや口角、動作など、全身から伝わる雰囲気から、その人の体の弱っている部分を探るものです。これは顔のパーツと内臓の相関性や経絡などから判断しています。
また望診には「舌診(ぜっしん)」というものがあり、舌苔の状態を観察して、身体のコンディションもチェックすることができます。健康的な舌苔はきれいなピンク色で、ほどよく潤っているのが理想的ですが、苔がべったりとついて真っ白になっていたり、黄色みを帯びている時は、体調の低下を示しています。
苔の正体は、新陳代謝によってはがれた細胞、飲食の残留物、雑菌など、口の中の老廃物で、身体が弱っていると代謝が追いつかなくなり、いつも汚い感じの舌になってしまいます。特に夏は水分摂取が多く、消化吸収が鈍くなるため、調子が上がらない状態が続いてしまいます。胃腸を活発にすることが元気を取り戻す秘訣です。
漢方では、その胃腸機能に働きかけ、肉体疲労や精神的ストレスを和らげながら、体調を引き上げていきます。苔が厚くなりがちな方は、まずは日頃から水分や冷たい物、油っぽい物の摂り方に注意してみましょう☆
※今回のおすすめ:平胃散(へいいさん)