長野市民新聞
2016.1.9
コラム#043
【体の中心から手足の先までお届け】
謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
それにしても雪が少ないですね。とはいえ、朝晩の寒さは身体に負荷がかかりますので、ぜひ温かくしてお過ごしいただきたいと思います。
さてこの寒冷ですが、漢方では「寒邪」と呼んでいて、自然がもたらす大きな病因として位置付けています。その症状は冷えだけでなく、「縮まる」「滞る」といった特徴があり、血管や筋肉を収縮させ、血液循環を鈍らせてしまいます。血圧も高くなり易く、特に循環器に不安がある場合は用心したいところです。
また寒冷は、様々な痛み・しびれの疾患の原因にもなります。そんな時はどうしても鎮痛剤が欲しくなりますが、血行が悪くなった時の痛みにはあまり効果がありません。温めながら筋肉をほぐし、積極的に血液循環を促すことが改善への近道です。
『当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)』という長い名前の漢方薬があります。まず覚えられません。9種の温性生薬を血液に乗せて、身体の中心から手足の先までお届け!というイメージで、冷え性全般によく用います。痛みを伴うしもやけなどにも効果的です。防寒対策のプラスアルファとしてぜひ身体の中からの温暖化を始めてみませんか☆