長野市民新聞
2015.7.11
コラム#031
【GOT・GPT値 肝細胞の修復を】
健康診断項目には、GOT・GPTという肝臓の値があります。これらは酵素の一種で、肝細胞が傷んでくると血液中に流れ出し、その結果高い数値を示します。肝機能を改善するには、この肝細胞を修復する必要があり、肝細胞はタンパク質で出来ていることから、その合成に関わる酵素を活発にしていきます。
赤ワインや緑茶などに含まれるポリフェノール(色素・苦味・渋み成分)には抗酸化作用もあり、特にウコンに含まれるクルクミンは、肝細胞に特異的に働きかけます。また、大豆等に含まれるサポニンも有効で、「田七人参」という生薬には、すぐれた肝機能改善作用があります。
その他、タンパク質の素となるアミノ酸や、酵素誘導を促すミネラルを補給すると、タンパク合成能がさらにアップします。牡蠣肉に含まれる亜鉛やセレンは、身体の様々な酵素を活性化し、新陳代謝に欠かせない栄養素ですので、積極的に取り入れたいところです。
「沈黙の臓器」とされる肝臓は、自覚症状が現れにくいのが特徴で、高い値をそのままにしておくと、肝硬変や肝ガンなどの発症リスクを高めてしまいます。様々な疾病を予防する上でも肝臓を元気に保つことが大切です。