舌の鮮度を保ちましょう

長野市民新聞
2019.11.23

コラム#136
【舌の鮮度を保ちましょう】

医者の診察で、目の下のまぶたを下げることがあります。あれは局部に現れる病状確認の一環ですが、漢方では下まぶたでなく、舌べろの状態を確認するのが特徴的です。

自覚症状の全てを統合して体に最適なものを選ぶのが漢方ですが、舌をみることによって、より体のコンディションや体質を知ることができます。

健康な舌はピンク色で、苔がほどよく乗って潤っている、寿司ネタに例えると中トロのような舌が理想的。赤身のようにつるっとした舌は体水分量が少ない状態で、体全体が乾燥傾向になります。

一方大トロのように白くぼてっとした舌は体水分量が多い状態で、むくみやすく、体は冷える方向に傾きます。

舌は飲食の影響も受けますが、特に表面の苔が厚く、べっとりとへばりついて、やや黄色い場合は、肌荒れやアレルギーが起きやすい状態。免疫も低下してくるので、胃腸に働きかけながら水分代謝を引き上げます。

「蕾香正気散(かっこうしょうきさん)」は舌をスッキリさせ、かぜ予防にもなるので、苔が気になる場合は最適です。

舌は体の健康を映し出す鏡。苔を歯ブラシで取り除くのもありですが、こすり過ぎると舌表面を傷つけてしまうのでご注意を。日頃から水分の摂り方や食事に気をつけて舌の鮮度を保ちましょう☆