胸の違和感、酸素を届ける

長野市民新聞
2019.9.14

コラム#131
【胸の違和感、酸素を届ける】

胸の奥がキューと痛むという症状を訴える方がいます。

これは心身の疲労や生活習慣、気圧の変化など、何かしらの影響によって一時的に血流が妨げられ、十分な酸素が供給されないために起こります。

休めば治まることも多いため、ついやり過ごしてしまいがちになり、また検査を受けても、明らかな狭窄が見られない限り問題ないということもあります。

成人で安静時、心臓からはおよそ5ℓの血液が1分間に送り出されますが、体全体の血液量は体重の8%ほどですので、60 ㎏の人であれば、このわずか1分間で全身の血液がひと回りするということになります。

胸の違和感を感じた時は、特に心臓に酸素を送るといったイメージが必要になりますので、お湯などを飲み、ゆっくりと深呼吸すると落ち着いてきます。

漢方では、耐寒性の植物や高山植物が最適。中でも「丹参(たんじん)」という生薬は、冠動脈を拡げ、血流量を増やす作用に優れているため、飲んでしばらくすると胸が楽になってきます。

また心臓から上部の症状、頭痛や肩こり、めまいなどにも良好です。

極端な気候や変わりゆく現代社会、身体には大きな負荷がかかっています。このような時こそ心臓に働きかけ、血液の流れを促すことが大切になるのです。