間質性肺炎 うるおいで予防

長野市民新聞
2018.12.22

コラム#114
【間質性肺炎 うるおいで予防】

今日肺炎は、日本人の死亡原因においてがんや心疾患に次ぐものとなっています。

肺炎といえば、カゼをこじらせた時や、高齢の方が罹りやすいと思われがちですが、何かしらの持病を持っている場合、発症しやすく重くなりやすいので、呼吸器や粘膜が弱い方は特に注意が必要です。

肺炎は、肺に細菌やウイルスが入り込み、増殖しながら発熱、咳、痰といった症状を引き起こします。健康時は、免疫の働きによって侵入を防いでいますが、体が弱っているとそれを許してしまいます。ワクチン接種等もありますが、普段から体力増進を含めたカゼ対策が大切なのです。

また肺炎には、これら病原体の感染によるものでなく、非細菌性のものもあります。間質性肺炎には様々な原因がありますが、その多くは間質が硬くなって肺組織が劣化することによる炎症です。炎症を鎮めながら、肺そのものの機能を引き上げることが重要な視点となります。

食物なら大根や山芋などの白いもの、生薬ならマメ科の黄耆(おうぎ)やユリ科の黄精(おうせい)、漢方薬なら補中益気湯(ほちゅうえっきとう)や養陰清肺湯(よういんせいはいとう)などが肺に効果的です。

これからの季節、利尿作用や去痰作用のあるものは必要に応じて用い、肺に作用し、うるおいを助けるものを優先的に摂っていくと良いでしょう。