おなかのガス 腸内細菌のこと

長野市民新聞
2017.12.16

コラム#089
【おなかのガス 腸内細菌のこと】

ガスがたまる、お腹が張る、おならがすごい…、この辺りの話はなかなか相談しにくい悩みですね。特に便秘がちの場合は、においも気になるところです。

食べ物は胃で消化され、腸に送られて細かく分解されますが、この過程でガスが発生してきます。特に動物性タンパクや脂は、悪玉菌の大好物で、増殖しながら老廃物を腐敗させていきます。

ガスはそのまま腸に留まるのではなく、その80%以上は腸管を通して血液中に取り込まれますが、腸内環境が悪化して栄養などを吸収する力が低下してくると、ガスの換気もうまくいかなくなってお腹が張ってきます。腸の蠕動運動が鈍くなれば、おならもスッキリ出なくなります。

腸内環境を改善するには、乳酸菌などの善玉菌を増やすと良いとされていますが、それだけを急に摂り始めると、悪玉菌が抵抗して、余計にお腹が張ってくることもあります。食生活を見直しながら少しずつ取り組んでいくことが大切です。

また腸は免疫を高める上で超大事です。漢方薬は、お腹の張りや便秘などの諸症状を改善しながら、腸の働きを引き上げていきます。心身の疲労回復と合わせ、健康の源を支えている腸内環境を整えていきましょう。

方剤例)クマザサ、開気丸(かいきがん)他