過敏性腸症候群 (IBS)について

長野市民新聞
216.2.13

コラム#045
【過敏性腸症候群 (IBS)について】

「過敏性腸症候群」は、検査では異常がないのに下痢や便秘、腹痛や張りなど、すぐにお腹の調子が悪くなってしまう病態です。

食べた物は、胃で消化され、栄養素や水分は腸で吸収されます。その残りが便として大腸で形成されます。この時、腸全体の働きが健康を左右します。便のおよそ70~80%は水分で、その状態は、腸の水分吸収力の度合いや、便を送り出す腸の動きによって変動します。

腸は何かしらの刺激を受けると、一時的に機能が低下しますが、正常に戻ろうとする身体の仕組みによってすぐに盛んに動き始めます。これがトイレ直行ということになるのです。また、腸がスムーズに動かなくなると便秘になりやすく、ガスも溜まってきます。急激な蠕動運動は、痛みも起こします。

消化器は、自律神経が操っているため、自分の意思で自由にコントロールすることはできません。やはりストレスはできるだけ早く解消することが理想的です。腸を不安定にしておくと、体力や免疫力にも影響が出てきます。炎症やポリープ、がんなどにも注意が必要です。飲食や生活習慣にも気をつけながら、全身の機能を引き上げる漢方を取り入れてみてはいかがでしょう。