逆流性食道炎へのアプローチ

長野市民新聞
2019.8.10

コラム#129
【逆流性食道炎へのアプローチ】

「その胸やけ、逆流性食道炎かもしれません」。以前はCMにも盛んに流れていたので、イメージしやすい方も多いと思います。

この疾病は名前のとおり、胃酸が上がって食道がただれている状態。逆流と炎症によって、込み上げ感やげっぷ、口の中の酸味や苦み、胸やけやチリチリ感が特徴です。

体は胃の内容物が食道に逆流しないよう、胃の上部と食道の下部の間にあるくびれによってそれを防いでいます。しかしこのくびれは筋肉。また自分では動かせない自律神経支配の平滑筋のため、加齢による筋力低下や、何気ないストレスの積み重ねがその働きを妨げてしまいます。

加えてカロリー高めの食事が胃酸を増やし、便秘等のお腹の張りが腹圧を増大させ、逆流しやすい状況を生んでしまうのです。

漢方には、香りや成分に含まれるハーブ作用によって心身を安らげてくれるもの、胃酸を中和する作用のあるもの、粘膜の修復を促すものなどが豊富です。

また生薬には気功のように、気を上げ下げする性質もあるので、症状に応じて適切なものを選ぶことが大切です。

胸や胃の具合が悪いと前かがみになり、姿勢も悪くなってしまいます。暑い日が続きますが、ぜひ胸を大きく張って晴れやかにお過ごし頂きたいと思います。