眼圧と涙の関係について

長野市民新聞
2017.11.11

コラム#087
【眼圧と涙の関係について】

目が重い、涙が止まらない…と思ったら眼圧が高かったというケースがあります。

目玉である硝子体の約99%は水(房水)ですが、目の中の水と栄養素の循環を通じて、房水が少なくなれば増やし、多くなれば排出を促し、常に眼圧を一定に保っています。

ところがその出口である管が塞がったり、スムーズに排出できなくなると、硝子体が膨らみ、房水が涙のように外にあふれ出てきてしまいます。眼圧も高くなり、目に熱が帯びたような状態になります。目の細部や血管を圧迫して、視神経への障害も心配されます。

では眼圧が上がる原因は何でしょう。管のつまりによる物理的要因だけでなく、眼精疲労や慢性的なストレス、目そのものの機能低下が挙げられます。治療においては点眼が中心になりますが、場合によっては手術ということになります。それはちょっと怖いですね…。そこで漢方を取り入れます。

腫れや自律神経、水分代謝に働きかける生薬が含まれる漢方薬を優先的に用い、毛細血管をケアしながら目の機能全体を引き上げていきます。

目は常に使われ、さらに感情の影響も大きく受けるので、心身の安静を心がけながら、嫌な涙を良い涙に変えていきます☆

応用例)竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)、菊の花茶ほか