痛風、尿酸値 泌尿器の老化に着目

長野市民新聞
2015.8.8

コラム#033
【痛風、尿酸値 泌尿器の老化に着目】

ビールの旨い季節ですね。でもプリン体が気になる方も多いのではないでしょうか。このプリン体は、主に肉や魚介類などに含まれる旨味成分で、新しい細胞の再合成に欠かせない材料になります。

代謝されたプリン体は、最終的に老廃物(尿酸)として尿中に排出されますが、排出しきれなかった尿酸が体内にたまり、関節に沈着してくると痛みを引き起こします。これがいわゆる「痛風」です。

痛風には、炎症を鎮めるもの、尿酸の生成を抑えるもの、排出を促す利尿剤などを用いますが、漢方では、泌尿器全般の働きの低下や、血流の滞りにも大いに着目していきます。

特にこの季節は、だるさや胃腸疾患も起こりやすいので、その予防もかねて、「防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)」がとても使いやすいです。作用は穏やかですが、この一つの漢方薬で、尿酸に対する消炎・抑制・排出の効果を期待できます。軽い痛みがある場合は、早めの服用をおすすめしたいところです。

その昔、ぜいたく病と言われた痛風ですが、現代の食生活では、誰にでも起こりうる生活習慣病です。食生活に留意し、身体機能を高めておくことが大切です。毎日の「うまい!」のために、健康な体づくりを始めていきましょう。