心身の安定が熟睡の条件

長野市民新聞
2019.5.11

コラム#123
【心身の安定が熟睡の条件】

初夏の陽気、朝晩はまだ肌寒いですが、そろそろ衣替えのタイミングですね。漢方でも、症状や体質を踏まえながら、季節の変化に合わせて薬を切り替えていきます。

複数の生薬で構成されている漢方薬には、全体として温性・寒性の性質があり、寒ければ温め、暑ければクールダウンさせる、自然環境に体をアジャストしながら調子を整えていきます。

また陰陽の考え方から、気温が急上昇する春先は、湯気が上にあがるように、めまいやのぼせ、五月病とも言われる精神不安や不眠など、体の上部に症状が現れやすくなります。体調を上げるには何よりも睡眠が大事ですので、この時季、眠りにはひと工夫したいところです。

睡眠の悩みには、寝つけない、よく眠れない、すぐ目が覚めるといったことが挙げられます。考え事が多ければ当然に眠れなくなりますが、

特に年々体の栄養が不足気味となり、体力が低下してくると、眠りが浅くなって睡眠サイクルも短くなってきます。心身の安定が熟睡の条件になります。

眠りは健康の基本。そうは言っても、意識すると余計に眠れなくなってしまうもの。そのうち眠れるからオッケーみたいな気持ちを持ちながら、寝苦しい季節に備え、今から心身を整えていくと良いでしょう。