体あっての治療、体力面の配慮

長野市民新聞
2017.4.22

コラム#074
【体あっての治療、体力面の配慮】

よくある質問に「病院の薬と漢方薬や健康食品はお互いにぶつからないの?」ということがあります。

漢方薬は、数種類の生薬の組み合わせで出来ていて、その一つひとつの中に、様々な薬用成分が含まれています。作用を打ち消し合ったり、強弱させるものではなく、むしろ体力を引き上げて回復を促してくれます。漢方薬は、効き目と安全の面から空腹時の服用が良好なので、新薬とメリハリをつけて飲んでいくと効果的です。

また「病院の薬と漢方はどちらがいいの?」という質問もあります。

救急時や症状が重い場合は、当然に病院でのいち早い対応が大事になります。この場面では漢方は力不足かもしれませんね(^^;)しかし症状が落ち着いてきたり、逆になかなか良くならない場合は漢方の出番です(^^)ノ

体を2階建ての家に見立ててみましょう。1階の土台(体力)がグラグラしているのに、2階の傷んだ部分(症状)だけを直そうとしてもいつまでも安定しませんね。

強い薬を長く続けると体に大きな負担がかかってきます。体力はどうか、薬に負けていないか、常に体を支えるといった心掛けが大切です。しっかりと治すには体力面の配慮がポイントになります。

※代表処方/十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)